「お座り」は、愛犬ペペがはじめて覚えたコマンドです。
犬のしつけ教材「イヌバーシティ」で、今回、「待て」の訓練をしますが、「お座り」も「待て」なのだそうです。
今もご飯をあげる前に、必ずお座りをさせているので、すでに「お座り」は完璧なので、今回の訓練も順調にいくはずです。
たぶん……。
意外に奥が深いぞ、「お座り」
ただ、教材を注意深く視聴していると、単にお座りといっても、お座りしている間、床を嗅ぐことも、ちょろちょろと身体を動かすこともNG!
その場でじーーーっとしていなければなりません。

得意のお座りを披露するペペ
教材はこう説明します。
「お座りといっても座ればいいのではないのです。そこにはその場でじっと待つという意味が含まれています」
「よしというまで動いてはいけません。これはガマンさせるというもっとも大切なしつけです」
「時間がかかってもいいので確実にマスターするようにしてください」
おぉ、聞けば聞くほど、意外に難易度が高いかも。
落ち着きのないペペにしてみれば、じっとしているのは厳しいのでは?
パパは不安になりました。
とりあえずやってみるか。
「よし、ペペ、お座りだ」
ちょこんと座るペペ。
お座りができたら、イヌバーシティで教えているあることを行います。
これは、クリッカー訓練(第8話)でやったし、クレートトレーニング(第10話)でもプレイス訓練(第11話)でもやったので、かなり慣れました。
ちょこんと座るペペ。
だけど、フローリングがすべるのか、段々と前足が前にツツツーッとすべっていきます。
「ペペ、お座りだぞ」
そう注意すると、ちょこちょこと前足を直して、キリリとお座りしなおします。
こんなことを繰り返しながらも、お座りというと短い時間であれば、じっと動かないようになりました。
「初日にしては、なかなか上出来じゃないかな」
これまでのお座りは一発芸だった!
考えてみれば、これまでのお座りはご飯をあげる前の儀式みたいなもので、いわゆる一発芸だったかもしれません。
ペペにご飯をあげるのは、娘の役割で、娘は必ず「ペペ、お座り。お手、おかわり、伏せ」といって、これが上手にできると、「はい、食べていいよ」とやります。
これでは「お座り=ご飯」になってしまい、本当の意味の「お座り=待て」とは別物です。
ペペにしたら、お座りはごはんの前にするもの。
外国人でいえば、アーメン、日本人でいえば、いたただきますと同じです。
これでは、いかん!
娘を呼んで、本当のお座りとはどういうことかを教えました。

娘がクリッカー訓練に挑戦

「よし」といって、お座りから解放
「いい、わかった? お座りはガマンさせることが大切なんだからね」
「はーい」
お座り=待ての訓練は、これで終わりではなく、このあとレベルをあげて、さらにじっと待つことを覚えさせていきます。
例えば、目の前におやつが落ちていても食べない、おもちゃが転がってきてもお座りを崩さない、飼い主が目の前からいなくなってもそのままの姿勢でいる、そんなところまで極めなければいけません。
「ペペ、おいで!」
おや、娘がペペを呼んでいます。
「お座りはガマンなんだよ、わかった」
さっき、教えられたことをペペに伝えています。
出た! これぞ、究極の「待て」
「ペペ、お座り! じっとしてて。食べちゃダメだよ。ダメだからね」
おやつのスティック型ミートを手に持ち、ペペの口に近づけます。
そして、「ペペ、待てだからね、待てよ」といいながらペペの口元にじわりじわりと近づけます。
ペペもお座りを維持しながら、口に近づくミートを避けるように顔だけをそむけ、食べたいのをじっとガマンします。
ただ、やっぱり食べたいのか、舌をぺろりと出してミートを舐めるそぶり。
それでも娘は手をゆるめません。
「待てよ、待てだからね」
ペペの首がひねる限界まできたところで、ようやく娘が「よしっ」といって、ペペはパクリとミートを食べることができました!

おやつを目の前にガマンするペペ
これぞ、究極の「待て」なのかも!
一瞬、パパはそう思いましたが、なんか違うような……。
待てを習得するのには時間がかかるというし、主従関係を築く基礎であり、すべてのしつけに通じる大切な訓練です。
もう1回、イヌバーシティを観て、明日から、じっくり取り組もうっと!
▼第13話につづく